COMPUTEX(& InnoVEX) 2018 の視察に行って来ました

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来年入社となるインターン生の深井龍雅です.2018年6月に開催された COMPUTEX の視察に行きましたのでレポートを書くことになりました.
すでに安齋さんと鈴木さんが書いていますので,私は印象に残っているものを別の視点(?)で書いてみることにします.

    1. コミュニケーションロボットで関連のある会社
    2. コミュニケーションロボットで競合となりえる会社
    3. その他 おもしろそうなもの

 

国際館入口の様子
国際館入口の様子

1. コミュニケーションロボットで関連のある会社

Robelf [Robotelf Technologies Co., Ltd.]

Robelf

安齋さん、鈴木さんも挙げていたロボットです.ロボットの製作からアプリケーションのフレームワークとアプリケーション部分まで開発しています.ユーザ,開発者がプログラムを作ってロボットを動かせるみたいですが,詳細までは聞き取れませんでした.実演ではブロックを組み合わせて簡単なプログラムを作っていましたが,他の手段も提供するようなことは言っていたような気はします.詳細な仕様の発表が楽しみですね.

このロボットの顔はタブレットとなっており,顔をタッチすることで操作することが可能です.機械の顔を省いてタブレットと合わせちゃった感があります.これはPepperと異なる点です.この展示会に出されていたロボットの多くに共通していることが,モニタで顔を映していることです.逆に,単なるモニタではなくてタッチパネルになっているのは思いの外少なかったです.

家庭向けの監視カメラ,見守りとしての用途もあるようで,頭の前と後ろにカメラが付いています.大方,全方位を見回せるロボットです.逆にPepperに付いていたような深度センサはどこに付いているのだろう? ないのかな?

Pepperよりも全体的な構成は単純になっています.顔はタブレットですし,腕はパタパタできるだけです.足もオムニホイールではなく,車輪2輪のみです.見守り用途に特化して不要な機能をそぎ落とした感じがします.

2. コミュニケーションロボットで競合しそうな会社

Ayuda [The syscom group]

Ayuda

Pepper似のコミュニケーションロボットを展示していた会社で, 見た目のインパクトも絶大でした. ロボットの製作とアプリケーションの実装を両方行っているようです.アプリケーション側も自社で行いたいそうです.

展示されていたロボットは2台あり,それぞれに病院を表す赤の十字マーク, 警察を表すエンブレムが耳部分に印刷されていました.話を聞いてみると警察(パトロール),銀行, 病院,学校などで利用することを想定していると教えてくれました.

ロボットをパトロール目的で使うのは大変なことです.自分の位置と道の状態がわからないと自立的に移動できませんし,途中でハードウェアのトラブルで止まってしまうのも許されません. 技術的にもハードウェアの制約的にもハードルが高いと思います.こうした用途から察するに, 頑丈に, かつ信頼性が高くなるよう注意して製作,プログラミングしているように感じます.実際公式サイトでも信頼性,性能が高いことをアピールしています.

関節を動かした時の音が大きいのも印象的でした.おそらく歯車の音ですね.頑丈に作るために静音性を捨てているのだと思います.歯車とモータを組み合わせてモータに掛かる負荷を調整できます. モータへの負荷が大きすぎるとオーバーヒートしてしまいます.(やりすぎると中身が融けて回らなくなる) これを防ぐために歯車の数が増えるので音が大きくなりがちです.

頑丈に作ると考えれば,静音性を捨ててモータにかかる負荷を減らす方が良いと思います.似た形状のPepperは音は静かですが,よくモータがオーバーヒートしています.Ayudaは機能が非常に多いロボットですが,一方で捨てた機能もあるのでしょう.この点についてもっと質問しても良かったかもしれません.

LB01 & LB02X [Uwin Technologies Co., Ltd – Taiwan]
ロボットの製造元:LUOBO.TEC

LB01 & LB02X

ロボット本体は他の会社(LUOBO.TEC)が製作したものです.この会社(Uwin)では,スマートフォンからロボットを操作するアプリを作ったり,ロボットに組み込むアプリを作ったりしているようです. 弊社もPepperとSotaを他社から買ってアプリの開発を行っているので似ています.

2種類のロボットがありますが,どちらも教育用のロボットを目的としているようです.どちらもマイクとスピーカーが装備されているのでおしゃべりができます.単眼カメラが1つと,車輪が2つもついているので,プログラミング次第では自立的な移動はもちろん,人を追いかけることもできます.もしかしたら見守りロボットとしても利用しているのかもしれません.

Sotaと似てますが,こちらは腕関節が無いに等しいです.肩の軸のみでぱたぱたするだけです.用途を考えれば腕関節は不要でしょう.見守り目的なら子供を追いかければいいですし,教育目的ならおしゃべりすればいいですし.対して腕関節が多い場合のメリットはなんだろう.改めて考えて見たほうがいいかもしれません.

個人的には小さい方が好きです. 耳部分がぱたぱたと動いて可愛いんですよ.見方を変えれば,腕関節を捨てた代わりに耳を得たとも言えますが. 鈴木さんが持っていたSotaを見せた時の反応をみると知っていそうな感じでしたが,あえてSotaを使わなかったのはなんらかの理由があったのでしょうか? そこまで聞いておけばよかったです.

3. その他 おもしろそうなもの

台湾奇跡之指 [国立成功大學 Maker Factory]

台湾奇跡之指

ロボットハンドが必要な案件が来る可能性があるため,合わせて探していましたが,面白いものがあったので紹介します.
これは義肢です.腕の一部を機械で補うタイプのものです.こうしたものは様々な会社で作られていますが,この会社では低コストで使いやすいものを製作することで,義肢が買えなくて困っている人を助けようと考えているそうです.確かに義肢を作るのは相当なコストがかかるので,必要としている人が買えないという問題があります.

大まかな形は3Dスキャン,3Dプリンタ, CADによるモデリングを駆使して作っているようです.1~2年で壊れてしまいますが,低コストに,早く,使いやすい義肢が作れるようです.作るのが早ければ交換はたやすいでしょうから大きな問題にはならないと思います.指,腕の特徴としては伸び縮みする材料が多いという点です.ポリエチレンのワイヤー,バネ,シリコン膜で覆われた指先など,こうした構成は物体を掴みやすくするための工夫で他のロボットハンドでもよく見られます.具体的にどんなものが持てるか聞いて見たところ,お茶碗を持てると教えてくれました.片腕が健全な人ならお茶碗を持って,ご飯を食べることができますね.

今回のふりかえり

今回の展示会にいって,反省点と目標ができました.

まずは反省点からです.とにかく巨大な展示会で,非常に多くのブースを見ることができましたが,やはり,行く前に3点ほど準備しておく必要があることを感じました. 1点目は,事前にターゲットを絞ってブースの場所まで特定しておき,確実に到達できるようにすることです.2点目は,製品を見て疑問に思う点を列挙しておき,質問を作っておくことで,質問の漏れを防ぐことです.3点目は,自社で必要としていること,どういった案件が入りそうかという情報を把握しておき,自社と関連する会社を選べるようにすることです.3点目については,普段から弊社の代表やメンバーとお話しして情報収集していくことにします.

次は目標です.展示物で出されていたものはターゲットと用途を決め,必要な機能,不要な機能の取捨選択がされた製品が多かった印象があります.このような製品の開発の方法はどうやっているかはわかりませんでしたが,自社でも見習うべき点があるのではと思いました.お客様が望んでいることは何かを知り,それを満たすアプリを作ることができれば今までよりも素早く,価値を提供できるからです.そのためにも,まずはブースで必死に説明していた人たちのように,お客様とのコミュニケーションを積極的にして,商談や情報収集をできるようになりたいという,目標ができました.

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深井龍雅
深井龍雅

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